「旧約聖書」「新約聖書」の違いを正しく説明できますか。どちらもキリスト教の聖典を構成する書物ですが、成立した時代、書かれた言語、中心となる内容に大きな差があります。本記事では二つを表で整理し、各項目を詳しく解説します。
「旧約聖書」「新約聖書」の違い早見表と項目別解説
| 項目 | 旧約聖書 | 新約聖書 |
|---|---|---|
| 読み方 | きゅうやくせいしょ | しんやくせいしょ |
| 基本の意味 | 神とイスラエルの民との古い契約を記した書 | イエス・キリストを通した新しい契約を記した書 |
| 成立時期 | 紀元前約1000年〜紀元前2世紀頃 | 紀元1世紀後半〜2世紀頃 |
| 書の数 | 39巻(プロテスタントの場合) | 27巻 |
| 主な言語 | ヘブライ語(一部アラム語) | ギリシア語 |
| 主な内容 | 天地創造、律法、歴史、預言、詩歌 | 福音書、使徒の働き、書簡、黙示録 |
| 中心となる人物 | アブラハム、モーセ、ダビデ、預言者たち | イエス、パウロ、弟子たち |
| ユダヤ教との関係 | ユダヤ教の聖典でもある | キリスト教独自の聖典 |
読み方
「旧約聖書」は「きゅうやくせいしょ」、「新約聖書」は「しんやくせいしょ」と読みます。「約」は神と人との契約を意味します。この呼び分けはキリスト教側の立場によるもので、ユダヤ教では前者を「旧」とは呼ばず、「タナハ」や「ヘブライ語聖書」と言います。
基本の意味
旧約聖書は、神がイスラエルの民と結んだ契約を中心に、民族の歴史や信仰を記した書物です。新約聖書は、イエス・キリストの誕生、教え、十字架と復活を通じて与えられた新しい契約を伝える書物です。両方を合わせてキリスト教の聖書となります。
成立時期
旧約聖書は、長い年月をかけて多くの人々により書き継がれ、紀元前2世紀頃までに現在の形に近づいたとされます。新約聖書は、イエスの死後に弟子や初期教会の指導者が記したもので、1世紀後半から2世紀頃にかけて成立しました。4世紀頃には現在の27巻が正典として認められます。
書の数
プロテスタントの旧約聖書は39巻、新約聖書は27巻で、合計66巻です。カトリックでは「第二正典」と呼ばれる書が旧約に加わるため、旧約の巻数が多くなります。正教会も独自の範囲を持つなど、教派によって数え方が異なる点に注意が必要です。
主な言語
旧約聖書は、ほとんどがヘブライ語で書かれ、一部のみアラム語です。新約聖書は、当時の地中海世界の共通語であったコイネーと呼ばれるギリシア語で書かれました。日本語訳は、これらの原典から訳されています。
主な内容
旧約聖書には、創世記から始まる「モーセ五書」、歴史書、詩篇や箴言などの知恵文学、預言書が含まれます。新約聖書は、四つの福音書、使徒の働き、パウロらによる書簡、終末を描く黙示録で構成されます。物語・律法・詩歌が中心の旧約に対し、新約はイエスの生涯と教会の信仰が中心です。
中心となる人物
旧約聖書では、信仰の父アブラハム、出エジプトを導いたモーセ、王ダビデ、エリヤやイザヤなどの預言者が重要です。新約聖書では、イエス・キリストが中心に立ち、使徒パウロやペトロ、ヨハネらが続きます。
ユダヤ教との関係
旧約聖書は、ユダヤ教の聖典と大部分が重なります。一方、新約聖書はキリスト教だけの聖典で、ユダヤ教では認められていません。なお、イスラム教でも、モーセやイエスなどの人物が登場しますが、聖典はクルアーンです。
まとめ:「旧約聖書」「新約聖書」は契約の違いで理解する
「旧約聖書」は神とイスラエルの民との古い契約の記録、「新約聖書」はイエス・キリストによる新しい契約の記録です。成立時期、言語、内容、ユダヤ教との関係にも違いがあります。二つを一体として読むことで、キリスト教の信仰の全体像がつかめます。「旧」は価値が低いという意味ではなく、あくまで契約の順序を表す呼び方だと覚えておきましょう。