「告訴」「告発」の違いを正しく説明できますか。どちらも犯罪の事実を捜査機関に申し出る行為ですが、申し出る人の立場や意思の内容が異なります。本記事では二つの言葉を表で整理し、各項目を詳しく解説します。
「告訴」「告発」の違い早見表と項目別解説
| 項目 | 告訴 | 告発 |
|---|---|---|
| 読み方 | こくそ | こくはつ |
| 基本の意味 | 被害者などが犯罪事実を申告し、処罰を求める意思表示 | 第三者が犯罪事実を申告し、処罰を求める意思表示 |
| できる人 | 被害者、法定代理人、その親族など(告訴権者) | 告訴権者以外の誰でも |
| 処罰を求める意思 | 必要 | 必要 |
| 申告先 | 検察官または司法警察員 | 検察官または司法警察員 |
| 親告罪との関係 | 親告罪では告訴が起訴の条件 | 親告罪では告発だけでは起訴できない |
| 義務の有無 | 任意 | 原則任意(公務員は職務上知った犯罪の告発義務あり) |
| 注意点 | 虚偽の場合は虚偽告訴罪になりうる | 虚偽の場合は虚偽告訴罪になりうる |
読み方
「告訴」は「こくそ」、「告発」は「こくはつ」と読みます。「告訴」を「こくしょう」と読むのは誤りです。ニュースでは「刑事告訴」「内部告発」といった形でよく目にします。
基本の意味
どちらも、犯罪があったことを捜査機関に伝え、犯人の処罰を求める行為です。違いは、申し出る人が被害者側かどうかにあります。被害を受けた本人などが行うのが「告訴」、それ以外の人が行うのが「告発」です。
できる人
告訴ができるのは、被害者本人、その法定代理人、被害者が亡くなった場合の配偶者や親族などです。これらを告訴権者と呼びます。告発は、告訴権者以外であれば誰でもでき、事件と無関係の市民や団体、自治体も可能です。
処罰を求める意思
告訴・告発は、いずれも犯人の処罰を求める意思の表示を含みます。この点で、単に事件を知らせる「被害届」や、犯人が自ら申し出る「自首」とは異なります。被害届は処罰の意思までは必要としません。
申告先
どちらも、検察官または司法警察員(警察官など)に対して行います。書面でも口頭でも可能ですが、実務上は告訴状・告発状を提出するのが一般的です。受理されると、捜査機関は書類や証拠を検察官に送る手続きに進みます。
親告罪との関係
名誉毀損罪や器物損壊罪、親族間の窃盗などは、告訴がなければ起訴できない親告罪です。この場合、有効なのは告訴権者による告訴だけで、第三者の告発では起訴の条件を満たしません。なお、告訴できる期間は原則として犯人を知った日から6か月以内に限られますが、性犯罪については法改正で親告罪ではなくなりました。
義務の有無
告訴は被害者の自由な判断で行うもので、義務ではありません。告発も原則は任意ですが、公務員が職務の中で犯罪を知った場合には、告発する義務があるとされています。不正を知った内部の人が行う「内部告発」は、法的な意味の告発と、報道や通報機関への通報とが混在して使われる点にも注意が必要です。
注意点
事実でないと知りながら告訴・告発をすると、虚偽告訴罪に問われるおそれがあります。また、告訴・告発をしても必ず起訴されるわけではなく、検察官が不起訴とする場合もあります。具体的な手続きは、弁護士や警察に相談して進めましょう。
まとめ:「告訴」「告発」は申し出る人の立場で使い分ける
「告訴」は被害者などの告訴権者が、「告発」はそれ以外の第三者が、犯罪の処罰を求めて捜査機関に申し出る行為です。手続きの流れは似ていますが、親告罪では告訴が条件になるなど、法的な効果に違いが出ます。ニュースや契約の場面で目にしたときは、誰が申し出たのかに注目すると、二つの言葉を正確に区別できます。