校正 記号 一覧を知っておくと、原稿や印刷物の間違いを効率よく見つけ、修正内容を相手に正確に伝えられます。校正記号は、単に文字を直すための印ではなく、「どこを」「何に」「どのように」変更するのかを簡潔に示すための共通ルールです。日本ではJIS Z 8208「印刷校正記号」によって、印刷物の校正や電子原稿への組版指定に使用する記号が規定されています。
文章を紙面上で確認するときは、修正したい文字や位置を示し、欄外などに具体的な指示を書きます。現在はパソコンによる編集が一般的になりましたが、出版・印刷・編集の現場では、校正記号を理解しておくことで紙面上の修正指示を読み取りやすくなります。日本エディタースクールでも、縦組・横組・欧文組に対応した校正記号を紹介しています。

校正記号とは?
校正記号とは、原稿や校正刷りに書き込んで、文字や文章の修正内容を指示するための記号です。例えば、誤った文字を正しい文字に直したり、不要な文字を削除したり、抜けている文字を追加したりするときに使います。
校正記号を使う主な目的は、次のとおりです。
- 修正箇所を明確にする
- 修正内容を短く伝える
- 編集者と組版担当者の認識をそろえる
- 誤植や表記ミスを効率よく修正する
- 紙面の文字組みやレイアウトを調整する
つまり、校正記号は文章を正しく仕上げるための「共通言語」といえます。
文字の修正・削除・挿入
1. 文字を訂正する
誤った文字を正しい文字に変更するときは、修正する対象を明確に示し、欄外などに正しい文字を書きます。漢字の誤り、仮名の誤り、数字や記号の間違いなど、さまざまな場面で使用できます。
例えば、「校正」を「構成」と誤記していた場合、間違った文字を指定して正しい文字への変更を指示します。
2. 文字を削除する
不要な文字や記号を取り除く場合には、対象部分を指定して削除を指示します。校正では「トル」という表現がよく使われます。
特に注意したいのが「トルツメ」と「トルママ」です。
- トルツメ:文字を削除し、その空いた部分を詰める
- トルママ:文字を削除するが、その場所は詰めずに空けておく
この違いを理解していないと、修正後の文字間やレイアウトが意図と異なる場合があります。
3. 文字を挿入する
原稿に不足している文字や記号を追加するときは、挿入位置を示し、欄外に追加する内容を書きます。
例えば、「文章を確認する」とあるべきところが「文章確認する」となっている場合、「を」を入れる位置を明確に示します。句読点や括弧などの記号を追加する場合にも使用できます。
文字の入れ替え・並びの修正
4. 文字を入れ替える
文字の順序が逆になっている場合は、対象となる文字を指定して入れ替えを指示します。
例えば、「東京大学」を「東京大学」のように文字の順序を誤って入力している場合、正しい並びになるよう指定します。複数の文字を対象にする場合は、どの範囲を入れ替えるのかが分かるように示すことが重要です。
5. 文字の並びを正す
校正では、単純な誤字だけでなく、文字の並びや組版上の不具合を修正することもあります。JISの校正記号には、文字の転倒や不良文字、文字列の並びなどを修正するための指定も含まれています。
改行・字下げ・字間の調整
6. 改行する・改行を取り消す
文章を新しい行から始めたい場合は改行を指示し、逆に不要な改行が入っている場合は改行を取り消します。
よく使われる指示には、次のようなものがあります。
- 改行:その位置から新しい行にする
- 改行解除:不要な改行をなくして続ける
- 一字下げ:段落の最初を一字分下げる
出版物では文章の意味だけでなく、段落構成や紙面の読みやすさも重要になるため、こうした組版指定も校正の大切な作業です。
7. 字間を調整する
文字と文字の間隔が広すぎる、または狭すぎる場合には、字間を調整する指示を出します。
代表的なものには、
- 字間を詰める
- 字間を空ける
- 全角分の空きを入れる
- 半角分の空きを入れる
- ベタ組に戻す
などがあります。文章そのものが正しくても、字間が不自然だと紙面全体の見た目に影響するため、校正では文字内容と組版の両方を確認します。
校正記号を使うときのポイント
校正記号は、修正内容が第三者にも分かるように書くことが大切です。特に複数の修正が近い位置にある場合は、引き出し線が交差しないように整理すると、指示を読み違えにくくなります。
また、縦書きと横書きでは記号の向きや記入位置が異なる場合があります。日本エディタースクールの校正資料でも、タテ組・ヨコ組・欧文組を分けて扱っています。
校正するときは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 誤字・脱字を確認する
- 文字や数字の誤りを確認する
- 句読点や記号を確認する
- 改行・字下げを確認する
- 字間や組版を確認する
- 修正指示が正確に伝わるか確認する
校正記号を正しく使えば、修正作業のスピードだけでなく、編集者・校正者・印刷担当者の間での意思疎通も向上します。JIS Z 8208:2007は現在も有効な規格として掲載されています。
まとめ:
校正 記号 一覧を覚えることは、文章の誤字脱字を直すだけでなく、削除・挿入・入れ替え・改行・字間調整などの修正内容を正確に伝えるために役立ちます。基本的な記号の意味を理解しておけば、紙の校正刷りだけでなく、編集や印刷に関する作業でも指示を読み取りやすくなります。まずは「訂正・トル・挿入・入れ替え・改行・一字下げ」など、使用頻度の高い記号から覚えるとよいでしょう。