著作物を引用する際の正しい「引用」方法は、レポートや論文、記事を書く際に非常に重要なポイントです。文章の中で他人の著作物を引用する場合、適切な引用ルールを守らなければ、剽窃(ひょうせつ)と見なされる恐れがあります。本記事では、著作物を引用する際の正しい「引用」方法について、具体的な手順と例を交えながらわかりやすく解説します。引用の基本から、直接引用、間接引用、ブロック引用、そして出典の書き方まで、体系的にまとめましたのでぜひご参考ください。
1. 正しい引用とは何か
まず、著作物を引用する際の正しい「引用」方法の基本を押さえましょう。正しい引用とは以下の2点を満たすことです。
- 本文中に引用部分と自分の意見部分を明確に区別すること
- 引用した著作物の出典(誰の、どの著作物から引用したか)を明示すること
これらが守られれば、他人の著作物を適法に利用しつつ、自分の考えを述べることができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 引用部分の明確化 | 引用した文章は「」やインデントを使って区別する |
| 出典の明示 | 書籍名、著者名、発行年、ページ数などを記載 |
| 自分の意見重視 | 引用より自分の考えが多くなるように工夫する |
2. 直接引用の方法と具体例
直接引用は、原文をそのままの形で引用する方法で、主に短文の引用に使われます。変更や要約はせず、「」で括るのがルールです。
- 短い文章を引用したいとき
- 原文の表現をそのまま残す場合
直接引用の特徴
- 引用部分は「」で囲む
- 誤字脱字や句読点も原文通りに記載する
- 引用後に出典を明示する
具体例
田中は、「本報告は自立した消費者を念頭に置き、官民連携で施策を打つ」と述べている1)。
3. ブロック引用の方法と具体例
ブロック引用は長文を引用する際に使います。文章の前後に空行を入れ、インデントを付けて区別します。長文なので「」は使いません。
- 長い文章や段落をそのまま引用
- 文章構造を変えない
ブロック引用の特徴
- 前後に空行を空ける
- 2文字分(全角2文字)の字下げをする
- 出典を明示する
具体例
E.W.サイードは、著書『オリエンタリズム』において、以下のように述べている。
我々は異文化をいかにして表象することができるのか。文化的・宗教的・人種的差異は、社会=経済的・政治=歴史的カテゴリーより重要なものといえるだろうか。1)
4. 間接引用の方法と注意点
間接引用は、引用した著作物を自分の言葉で要約・説明する方法です。内容は変えてもよいですが、必ず出典は明示しなければなりません。
- 要約やパラフレーズ(言い換え)に使う
- 「」は使わない
- 出典は必須
間接引用の特徴
- 自分の文章でまとめる
- 出典は必ず記載
- 引用元の意図を正確に伝えることが重要
具体例
松岡(2009)は、書く行為と読む行為は双方ともコミュニケーションの一形態であると指摘している2)。
5. 図表や統計データの引用方法
論文やレポートでは、図表や統計データを引用することも多いです。データの引用には以下の方法があります。
| 方法 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| ① 数値だけ引用 | 文章中に数値や統計結果を記述 | 「外国人留学生向けの求人が38.5%」1) |
| ② 図表を再作成 | 自分でExcel等を使い同じ図表を作り掲載する | 図1「外国人留学生の就職活動に関する調査」 |
6. 出典(参考文献)の書き方
著作物を引用する際の正しい「引用」方法で最も大切なのは、必ず出典を書くことです。出典の書き方には主に2種類あります。
6-1. 注番号順方式(脚注形式)
引用部分に番号を付け、ページ下や章末に詳細情報を記載します。
例:
田中は「・・・」と述べている1)。
1)田中一郎.『日本経済の未来』.○○出版社,2020,p.50.
6-2. 直接記述方式(本文内記載)
本文中に著者名と発行年を記載し、文末に参考文献一覧を掲載します。
例:
田中(2020)は「・・・」と述べている。
出典の種類別例
| 出典の種類 | 書き方例 |
|---|---|
| 書籍 | 夏目漱石.『吾輩は猫である』.角川書店,1998,578p. |
| 雑誌論文 | 柳迫周平.「フランス実親子法の構造的分析」.民商法雑誌,2020,156(3),p.518-550. |
| Webサイト | 久保田博之.「コロナ禍の個人消費への影響」.Yahoo!ニュース,2020-09.https://news.yahoo.co.jp/byline/kubotahiroyuki/20200913-00198069/(参照2020-10-01). |
最後に、著作物を引用する際の正しい「引用」方法の重要なポイントをおさらいします。
- 引用部分と自分の文章を明確に区別すること
- 直接引用は「」で囲み、原文を変更しないこと
- ブロック引用は長文をインデントして区別すること
- 間接引用は自分の言葉で要約し、出典を必ず示すこと
- 図表・統計は数値を記載するか自作図表を添付すること
- 必ず出典(参考文献)を正しく記載すること
これらのルールを守れば、安心して他人の著作物を引用し、自分の考えを説得力ある形で表現できます。著作権法も引用を認めているため、著作物を引用する際の正しい「引用」方法は学問やビジネス、メディアなど多くの場面で必須のスキルです。