経済 的 ゆとり ランキングとは、単純に年収や給与が高い地域を順位付けするものではなく、実際に生活するうえで必要となる支出を考慮したあと、家計にどれだけの余裕が残るのかを比較する考え方です。2026年時点で注目されている最新データでは、総務省「令和6年(2024年)全国家計構造調査」をもとにした47都道府県比較が行われており、1位は福井県、2位は栃木県、3位は茨城県となりました。
経済 的 ゆとり ランキングを見ると、「収入が高い地域ほど生活に余裕がある」という一般的なイメージだけでは説明できない地域差が見えてきます。東京都は可処分所得では全国1位である一方、経済的ゆとり額では19位でした。つまり、暮らしの豊かさを考えるときには、どれだけ稼ぐかだけでなく、住居費や食費、交通費、光熱費、教育費などを差し引いた後にどれだけ残るのかを見ることが重要です。
経済的ゆとり額とは何か
今回のランキングでいう「経済的ゆとり額」は、可処分所得から生活に必要不可欠と考えられる基礎的な支出を差し引いた金額です。
基本的な考え方は、次のように表せます。
経済的ゆとり額 = 可処分所得 − 基礎的支出
ここでいう基礎的支出には、主に以下のような費目が含まれます。
- 食費
- 住居費
- 交通・通信費
- 光熱・水道費
- 教育費
- 保健医療費
したがって、この数字が大きいほど、「必要な生活費を支払った後に残る経済的な余力が比較的大きい」と考えることができます。
ただし、「経済的ゆとり額=そのまま貯金できる金額」という意味ではありません。娯楽費、旅行費、交際費、衣類、趣味、家具・家電、税・社会保険以外のさまざまな支出など、個々の生活では追加的な出費が発生するためです。
2026年最新・47都道府県の経済的ゆとりランキング
2024年の全国家計構造調査をもとにした最新の比較では、以下のような順位となっています。金額は1人あたり月額です。
| 順位 | 都道府県 | 経済的ゆとり額(月・1人) |
|---|---|---|
| 1 | 福井県 | 132,887円 |
| 2 | 栃木県 | 131,982円 |
| 3 | 茨城県 | 131,653円 |
| 4 | 徳島県 | 131,423円 |
| 5 | 静岡県 | 127,007円 |
| 6 | 富山県 | 124,293円 |
| 7 | 香川県 | 123,867円 |
| 8 | 群馬県 | 121,478円 |
| 9 | 和歌山県 | 120,998円 |
| 10 | 広島県 | 120,598円 |
| 11 | 岩手県 | 120,046円 |
| 12 | 神奈川県 | 119,635円 |
| 13 | 石川県 | 119,430円 |
| 14 | 愛知県 | 118,982円 |
| 15 | 青森県 | 118,448円 |
| 16 | 宮城県 | 118,136円 |
| 17 | 千葉県 | 118,019円 |
| 18 | 長野県 | 117,847円 |
| 19 | 東京都 | 117,622円 |
| 20 | 新潟県 | 117,485円 |
| 21 | 大分県 | 117,284円 |
| 22 | 鳥取県 | 116,822円 |
| 23 | 岐阜県 | 116,581円 |
| 24 | 北海道 | 115,013円 |
| 25 | 山形県 | 114,825円 |
| 26 | 島根県 | 114,571円 |
| 27 | 三重県 | 113,957円 |
| 28 | 滋賀県 | 113,881円 |
| 29 | 秋田県 | 113,544円 |
| 30 | 熊本県 | 112,991円 |
| 31 | 高知県 | 112,504円 |
| 32 | 愛媛県 | 111,905円 |
| 33 | 岡山県 | 111,179円 |
| 34 | 埼玉県 | 110,927円 |
| 35 | 大阪府 | 110,642円 |
| 36 | 福島県 | 110,228円 |
| 37 | 山梨県 | 109,426円 |
| 38 | 宮崎県 | 107,948円 |
| 39 | 福岡県 | 107,941円 |
| 40 | 山口県 | 107,171円 |
| 41 | 兵庫県 | 106,684円 |
| 42 | 鹿児島県 | 106,038円 |
| 43 | 佐賀県 | 105,983円 |
| 44 | 奈良県 | 103,092円 |
| 45 | 京都府 | 98,111円 |
| 46 | 長崎県 | 93,795円 |
| 47 | 沖縄県 | 92,275円 |
この結果から、上位には北陸、北関東、東海、中四国などの県が多く入っていることが分かります。一方で、都市圏の代表である東京都や大阪府は、必ずしも上位ではありません。
1位は福井県――月13万2887円の経済的ゆとり
ランキングで最も注目されるのが福井県です。福井県の経済的ゆとり額は、1人あたり月132,887円でした。単純に12か月分へ換算すると約159万4,644円になります。
ただし、これは「1年間に約159万円を自由に貯金できる」という意味ではありません。あくまでも今回定義された基礎的支出を差し引いた後の金額であり、実際の家計にはさらにさまざまな支出があります。
福井県が1位になった背景として注目されているのが、世帯全体の「稼ぐ力」です。クラシノの分析では、福井県は収入が全国4位と高めであることに加え、世帯内の大人、特に働いている大人の人数が多いことが特徴とされています。さらに福井県は共働き世帯が多い地域としても知られています。
つまり、経済的ゆとりは「一人の年収」だけではなく、
- 世帯に何人の働き手がいるか
- 世帯全体でどれくらい収入を得ているか
- 住居費などの固定的な支出がどれくらいか
- 世帯人数に対して生活費がどの程度かかるか
といった複数の要因によって変わると考えられます。
2位・栃木県と3位・茨城県も非常に高い
2位は栃木県で131,982円、3位は茨城県で131,653円でした。
1位の福井県との差は、
- 福井県:132,887円
- 栃木県:131,982円
- 茨城県:131,653円
となっており、上位3県は非常に近い水準です。
特に栃木県については、収入が一定の水準にありながら、関東圏の中では比較的住居コストを抑えやすいことや、世帯人数などの要素が経済的ゆとりにつながっていると分析されています。茨城県も、収入と支出、世帯構造の組み合わせによって上位に入ったと考えられます。
4位は徳島県、5位は静岡県
4位は徳島県の131,423円、5位は静岡県の127,007円です。
この結果は、「経済的に余裕のある地域は大都市圏に集中する」という考え方とは異なる結果です。
徳島県や静岡県のような地域でも、
- 一定水準の可処分所得がある
- 大都市部より住居費を抑えられる場合がある
- 世帯構造が家計に影響する
- 地域によって生活費の構成が異なる
といった複数の条件が組み合わさることで、経済的ゆとりが大きくなる可能性があります。
東京は可処分所得1位なのに19位
今回のランキングで特に興味深いのが東京都です。
東京都の1人あたり可処分所得は319,562円で全国1位です。神奈川県、千葉県なども高い水準にあります。しかし、東京都の経済的ゆとり額は117,622円で、順位は19位でした。
これは、「所得が高い地域」と「生活後にお金が残りやすい地域」が必ずしも一致しないことを示しています。
東京都では所得水準が高い一方で、住居費などの生活コストも高くなります。Business Insider Japanによれば、1人あたりの住居費は東京都が月85,815円で、宮崎県の37,418円と比べて大きな差があります。
また、外食費も東京都は1人あたり月14,839円で、今回紹介された都道府県別データでは全国1位でした。
このように、東京では「高い収入」と「高い生活コスト」が同時に存在しています。
可処分所得ランキングと経済的ゆとりランキングの違い
可処分所得だけを比較すると、上位には東京都、神奈川県、千葉県などが並びます。
| 順位 | 都道府県 | 可処分所得(月・1人) |
|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 319,562円 |
| 2 | 神奈川県 | 298,163円 |
| 3 | 千葉県 | 288,288円 |
| 4 | 福井県 | 287,433円 |
| 5 | 富山県 | 286,060円 |
| 6 | 茨城県 | 284,191円 |
| 7 | 徳島県 | 275,831円 |
| 8 | 群馬県 | 275,719円 |
| 9 | 埼玉県 | 273,359円 |
| 10 | 静岡県 | 273,059円 |
ここで、東京都と福井県を比較すると違いが明確になります。
| 指標 | 東京都 | 福井県 |
|---|---|---|
| 可処分所得 | 319,562円 | 287,433円 |
| 経済的ゆとり額 | 117,622円 | 132,887円 |
| 経済的ゆとり順位 | 19位 | 1位 |
| 可処分所得順位 | 1位 | 4位 |
この比較から分かるのは、家計を考えるときに「収入の大きさ」だけを見るのでは不十分だということです。
最下位は沖縄県
47位は沖縄県で、経済的ゆとり額は1人あたり月92,275円でした。46位は長崎県の93,795円、45位は京都府の98,111円です。
1位の福井県と47位の沖縄県との差は、
132,887円 − 92,275円 = 40,612円
です。
年間単純換算では、
40,612円 × 12か月 = 487,344円
となります。
つまり、ランキング上の「経済的ゆとり額」には、1人あたり年間で約48.7万円の差があります。
ただし、この差をそのまま「福井県の生活が沖縄県より年間48万円以上豊か」と解釈することも適切ではありません。地域によって住宅事情、車の必要性、家族構成、雇用環境、消費スタイルなどが異なるからです。
都市部と地方では何が違うのか
経済的ゆとりを理解するうえでは、「都会だから高い」「地方だから安い」と単純化しないことが重要です。
都市部では、次のような特徴があります。
- 給与水準が高い
- 求人数や職種の選択肢が多い
- 公共交通機関を利用しやすい
- 自動車を持たなくても生活しやすい地域がある
- 一方で住宅費が高い
- 外食など都市型消費が増えやすい
一方、地方では、
- 住居費を抑えられる地域がある
- 広い住宅を確保しやすい場合がある
- 共働きや多世代同居が家計に影響する
- 自動車が必要になるケースが多い
- ガソリン、保険、整備、駐車場などの負担が生じる
という特徴があります。
実際、Business Insider Japanも、地方では住居費が低くても車が必要になることで交通関連の支出が増える場合があると指摘しています。
したがって、「家賃が安い県」だけを探しても、必ずしも経済的ゆとりが大きくなるとは限りません。
経済的ゆとりを左右する主な要素
今回のランキングから読み取れる重要な要素を整理すると、次のようになります。
1.可処分所得
まず重要なのは、税金や社会保険料などを差し引いた後に実際に家計へ入ってくる可処分所得です。
可処分所得が高ければ、それだけ生活費を支払った後の余裕も大きくなる可能性があります。
2.住居費
住居費は毎月発生する代表的な固定費です。
特に大都市圏では家賃や住宅関連費用が高くなりやすく、高所得のメリットを相殺する場合があります。東京都の住居費の高さは、今回のランキングを理解するうえで重要なポイントです。
3.世帯内の働く人数
福井県の例から分かるように、世帯全体で何人が働いているかも重要です。
一人あたりの給与が非常に高くなくても、夫婦など複数の働き手がいることで世帯収入を高められる場合があります。
4.交通費
地方では自動車が生活に欠かせないケースがあります。
その場合、単純な公共交通費だけではなく、
- ガソリン代
- 自動車保険
- 車検
- 整備費
- 駐車場代
- 車両購入費
などを考える必要があります。
5.食費・外食費
食費も地域差を生み出します。
特に外食については東京都の支出額が高く、東京と山形県では大きな差があることが報告されています。これは単純な物価差だけでなく、外食する頻度や都市部の消費環境なども関係すると分析されています。
このランキングを見るときの注意点
このランキングは非常に参考になる一方で、すべての人にそのまま当てはまるわけではありません。
理由として、今回の集計は「2人以上の世帯」「勤労者世帯」を対象としており、無職世帯や自営業などを含めたすべての世帯を単純に平均したものではないためです。クラシノは、総務省の「令和6年全国家計構造調査」から対象を絞り、さらに1人あたりに換算して比較しています。
そのため、ランキングを利用するときは、
- 単身世帯
- 子育て世帯
- 高齢者世帯
- 自営業世帯
- 共働き世帯
- 住宅ローンを抱える世帯
など、自分の生活条件と照らし合わせる必要があります。
また、ランキングの金額は「基礎的支出を差し引いた残額」であり、自由に使える現金の残高を直接示すものではありません。
移住先を考えるときにも重要な指標
地方移住や転職先を検討するとき、一般的には「平均年収」や「求人の多さ」が注目されます。
しかし、実際の生活を考えるなら、
収入 − 必要生活費
という視点も重要です。
例えば、月収が10万円高い地域でも、家賃や交通費、教育費などが月12万円高ければ、家計に残る金額はむしろ少なくなる可能性があります。
逆に、収入が多少低くても住居費などの固定費を抑えられれば、毎月の家計に余裕が生まれる場合があります。
したがって、地域を比較するときには、
- 可処分所得を見る
- 住居費を見る
- 食費を見る
- 交通費を見る
- 教育費や医療費を見る
- 世帯内の働く人数を見る
- 最終的に残る経済的ゆとりを見る
というように、複数の指標を組み合わせることが重要です。
ランキングから見えてくる日本の地域経済
今回のデータは、日本の地域経済が単純な「都会対地方」という構図ではないことも示しています。
福井県は可処分所得でも全国4位と高い水準にあり、さらに経済的ゆとりでは全国1位となりました。一方、東京都は可処分所得で全国1位ながら、経済的ゆとりでは19位です。
これは、地域の豊かさを測定する際に「どれだけ稼げるか」と「どれだけ残るか」を分けて考える必要があることを示しています。
さらに、世帯構造や共働きの状況、住宅費、交通事情、消費行動などが複雑に組み合わさるため、単一の指標だけで地域の暮らしやすさを決めることはできません。
特に今後、物価や住宅費、エネルギー価格、働き方などが変化すれば、同じ都道府県でも経済的ゆとりの状況が変わる可能性があります。そのため、このランキングは「絶対的な住みやすさランキング」というより、家計の構造を比較するための一つの重要な資料として見るのが適切です。
まとめ:経済 的 ゆとり ランキングから分かる本当の「暮らしの余裕」
経済 的 ゆとり ランキングの2026年時点の最新比較では、1位が福井県の132,887円、2位が栃木県の131,982円、3位が茨城県の131,653円となりました。特に福井県は、比較的高い可処分所得に加えて、共働きなどによる世帯全体の稼ぐ力が特徴となっており、収入と生活コストのバランスが経済的ゆとりにつながっていると考えられます。一方、東京都は可処分所得が全国1位でありながら、経済的ゆとりでは19位となっており、「高収入だから必ず生活に余裕がある」とは限らないことが分かります。 最下位の沖縄県は92,275円で、1位の福井県との差は月40,612円でした。こうした数字を理解することで、都道府県を比較するときには年収だけでなく、住居費、食費、交通費、光熱費、教育費、医療費、世帯人数、働く人数などを総合的に見ることの重要性が分かります。