水面(みなも)に仰(あお)ぎ、空を見上げながら進む背泳ぎ(せおよぎ)。その優雅な泳ぎは、まるで水中を自由に漂うようです。しかし、見た目の美しさとは裏腹に、背泳ぎは正しいフォームと体の使い方を習得する必要がある、奥深い泳法でもあります。この記事では、背泳ぎ 練習 方法を徹底的に解説します。初心者の方から伸び悩んでいる上級者の方まで、それぞれのレベルに合わせた練習方法、コツ、そして自宅でできるトレーニングまで、幅広くご紹介します。さあ、このガイドを参考に、あなたも背泳ぎの世界を深く探求してみましょう。
なぜ背泳ぎが難しいと感じるのか?コーチからのアンケート結果
多くの水泳コーチたちが、背泳ぎが苦手な子どもたちには共通する特徴があると感じています。日本テレビ運営のドリームコーチングに所属する15名のコーチへのアンケート調査によると、最も多かった回答は「体が沈んでしまう」ことでした。次いで「力みすぎ」「顎が上がっている」という点が挙げられました。
さらに、アンケートからは以下のような課題も見えてきました。
- キック力の不足
- 腹圧が抜けていること
- 足が下がりやすい
- キックの膝が曲がっている、胸郭が閉じている(姿勢が悪い)
- 背中が反りすぎてしまう
これらのアンケート結果から、背泳ぎが苦手と感じているお子さんは、水中で正しい姿勢を維持できていないことが多いということがわかります。
コーチが伝授!背泳ぎのコツ
では、どのようにすれば背泳ぎをスムーズに、そして楽に泳げるようになるのでしょうか?経験豊富なコーチたちが考える背泳ぎのコツをまとめました。
- ローテーション(体の左右への回転)を上手に行うこと
- 頭が大きく動かないように意識して腕を回すこと
- 必要以上に力を入れず、体を一直線に保つこと
- ローリングを意識し、常に額の先を見るようなイメージを持つこと
- バサロキック、およびバサロキック後の浮き上がりを有効に使うこと
- 正しい姿勢と、水をしっかりと押す感覚を意識すること
- 背中を反らせすぎないように注意すること
- 軽く顎を引いた状態を保つこと
- キックをリズミカルに打つこと、水中で手がどの方向を向いているかを感じること
- 体の軸がブレないように腹圧を入れるなど、体幹を意識すること
さらに、より具体的なコツを解説してくれたコーチもいます。ぜひ参考にしてみてください。
- 手の入れ替えのタイミングを同時に行う 手を入れ替えるタイミングがずれると、体のバランスが崩れやすく、水を飲んでしまったり、鼻に水が入る原因になります。上に伸ばしている手と体側にある手を、同時にスムーズに入れ替えましょう。
- キックは足の裏で水を捉えるように、狭い幅でリズミカルに動かす 蹴り幅が大きいと足が下がりやすくなり、スイム時に上半身が左右に振られやすくなります。できるだけ足の裏でしっかりと水を捉えるように意識しましょう。膝が曲がりすぎる場合は、少し内側に膝を内旋させるようにキックすると、姿勢が安定しやすくなります。リズミカルなキックは、手を掻いた時のバランスを保つ上でも重要です。
- お腹を伸ばし、お尻に力を入れる 上向きの姿勢に不安を感じる方は、体がV字になりやすく、上半身が起き上がってしまいがちです。枕に頭を預けるようなイメージで頭を後方に倒し、お腹と腰を伸ばし、お尻の穴を締めた状態で足を動かすと、下半身が下がりづらくなります。ただし、この時、足の指先が天井を向いているようなキックでは、下半身が沈む原因になるため、足の裏をしっかりと下に向けるように意識しましょう。
レベル別!背泳ぎの練習方法
個別の水泳指導を行うコーチへのアンケートによると、小学生向けのレッスンで推奨されている背泳ぎの練習方法は、段階的にステップアップしていくことが多いようです。
初級:水に慣れる、浮く、姿勢を覚える
まずは水に慣れ、背浮きの感覚を掴むことが重要です。
- ケノビ(け伸び): 壁を蹴って、体を一直線に伸ばして浮く練習です。顔は天井に向け、リラックスした状態で浮くことを意識します。
- 背浮き: 力を抜いて、仰向けの状態で水に浮く練習です。最初はコーチやヘルパーに支えてもらいながら、徐々に一人で浮けるように練習します。
- 腰掛けキック: プールサイドに腰掛け、足を水中でバタバタさせる練習です。膝を軽く曲げ、足の甲で水を蹴る感覚を掴みます。
- プールサイド仰向けキック: プールサイドに仰向けに寝そべり、キックの練習を行います。陸上での感覚を掴むことで、水中での動きをイメージしやすくなります。
中級:キックと手の動きを別々に練習する
浮くことに慣れてきたら、次はキックと手の動きを個別に練習します。
- ヘルパー付き背泳ぎキック: ビート板をお腹に当て、仰向けの状態でキックの練習を行います。体が安定し、キックの推進力を意識しやすくなります。ヘルパーがない場合は、ビート板をお腹に抱えて行っても良いでしょう。
- 片手上げ背泳ぎキック: 片手を頭上に伸ばしたまま、仰向けの状態でキックを行います。左右交互に行うことで、体のバランスを保つ感覚を養います。
- 片手背泳ぎ: 片手で水を掻きながら、もう片方の手は体側に添えて背泳ぎを行います。ローテーションや水の掻き方を意識する練習になります。左右交互に行いましょう。
上級:キックと手の動きを連動させる、全身を使った練習
基本的な動きが身についたら、全身を使ってスムーズに泳ぐ練習を行います。
- 背泳ぎスイム: 左右の手を交互に回し、キックと連動させて背泳ぎで泳ぎます。最初は短い距離から始め、徐々に距離を伸ばしていきます。
- 腕を回すタイミング練習: 手の入水、掻き、プッシュ、リカバリーといった一連の動きを、頭の位置を安定させた状態で行う練習です。左右の手のタイミングがずれないように意識します。
- 浮き上がりからの背泳ぎ: 壁を蹴った後の浮き上がりから、スムーズに背泳ぎに移行する練習です。バサロキックを取り入れることで、より効率的な浮き上がりを習得できます。
表1:レベル別 背泳ぎ練習のステップ
| レベル | 練習内容 | 目的 |
| 初級 | ケノビ、背浮き、腰掛けキック、プールサイド仰向けキック | 水に慣れる、浮く感覚を掴む、基本的な姿勢とキックの動きを覚える |
| 中級 | ヘルパー付き背泳ぎキック、片手上げ背泳ぎキック、片手背泳ぎ | キックの推進力を高める、体のバランスを養う、手の掻き方を覚える |
| 上級 | 背泳ぎスイム、腕を回すタイミング練習、浮き上がりからの背泳ぎ | キックと手の動きを連動させる、全身を使った効率的な泳ぎを習得する、スタートとターンの練習 |
自宅でできる簡単トレーニング
水泳の練習はプールでしかできないと思っていませんか?実は、多くのコーチが自宅でできるトレーニングも重要だと考えています。自宅でのトレーニングは、水泳の上達スピードを速め、プール以外の時間も有効活用できます。
自宅で行えるトレーニングは大きく分けて、「イメージ型」と「実践型」の2つに分けられます。
イメージトレーニング
- 水中動作のイメージ: 実際に背泳ぎをしている自分の姿を動画に録画し、繰り返し見ることで、正しい姿勢と自分のフォームの違いを理解します。良い姿勢で背泳ぎをしている自分を繰り返しイメージすることも重要です。
- フォームの確認: 鏡の前で自分のフォームを確認しながら、正しい姿勢を習得していきます。ケノビの姿勢や手の掻くタイミングなどを意識して行いましょう。
- 呼吸の練習: お風呂などで顔つけや呼吸の練習を行い、水に対する恐怖心を取り除くことも、スムーズな泳ぎに繋がります。
体を使ったトレーニング
水中で正しい背泳ぎの基本姿勢が崩れないように、体幹を鍛えることは非常に重要です。ここでは、小学生でも簡単にできる体幹トレーニング「うつぶせハイハイ」をご紹介します。
- 床にうつぶせの状態になります。
- 両腕で地面を押しながら腰を反らせて上半身を持ち上げます。
- 片手を床につけたまま、もう片方の手を前方斜め45°の方向に伸ばします。
- 数秒間キープします。
- 反対の手でも同様に行います。
このトレーニングは、背泳ぎに必要な背中や腰の筋肉、体幹を効果的に鍛えることができます。
背泳ぎをさらに深く理解するために
背泳ぎは、4つの基本泳法の中で唯一、仰向けの姿勢で泳ぐ泳法です。常に顔が水面に出ているため、呼吸はしやすいというメリットがありますが、水中や前方が全く見えないため、方向感覚を養うことが難しいとされています。
文部科学省の「技術指導の要点」によると、学校教育においては、バタフライは中学校1〜2年生で教えられることになっています。これは、背泳ぎとバタフライは、基礎泳法であるクロールと平泳ぎを習得した後に、応用として学ぶべき泳法とされているためです。そのため、小学校では以下のような段階で水泳指導が行われます。
- 小学1〜2年生:水に慣れる遊び。主に浮く・進む技術を身につける。
- 小学3〜4年生:浮く・もぐる遊び。初歩的な泳ぎを身につける。
- 小学5〜6年生:クロール・平泳ぎの動きを身につける。
一方、スイミングスクールでは、学年にとらわれず、個人の習熟度に合わせて4つの泳法を習得していきます。
背泳ぎは何歳くらいで習得できる?
今回のアンケートによると、個人差はあるものの、背泳ぎの習得は4〜6歳でも可能と考えるコーチが多いようです。もちろん、水泳を始めた年齢にもよりますが、一般的には2年程度の練習で習得を目指せるでしょう。
背泳ぎ 練習 方法について、基本から応用、そして自宅でできるトレーニングまで詳しく解説してきました。背泳ぎは、体の沈み、力み、顎の上がりなど、多くの方が苦手に感じるポイントがありますが、正しいコツを理解し、段階的に練習を重ねることで必ず上達します。今回ご紹介した練習方法や自宅でのトレーニングを参考に、ぜひ背泳ぎの習得にチャレンジしてみてください。
もし、お子様のレベルに合わせた個別指導にご興味がありましたら、日本テレビ運営のドリームコーチングを検討してみてはいかがでしょうか。アスリートやプロのコーチから、マンツーマンで丁寧な指導を受けることができます。