給与所得者の基礎控除申告書の書き方 : 必須記載項目、間違いやすいポイント、提出対象者の条件、提出期限の確認

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給与所得者の基礎控除申告書の書き方について、正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。年末調整の季節になると、多くの会社員がこの書類の提出を求められますが、「とりあえず出せばいい」と内容を確認せずに記入している方も多いでしょう。しかし、正しく記載しなければ本来受けられる控除が受けられなかったり、余計な税負担が発生したりする可能性があります。本記事では、給与所得者の基礎控除申告書の書き方に加え、記載すべき重要項目、見落としがちな注意点、誰が提出すべきか、いつまでに提出すべきかを徹底的に解説していきます。


年末調整における書類の全体像と基礎控除申告書の位置付け

令和2年からの年末調整書類の変更点

令和2年の税制改正により、年末調整の書類構成が大きく変わりました。これまで分かれていた控除関連の申告書が、以下のように整理されました。

必要書類一覧(令和2年分)

  1. 令和3年分扶養控除等(異動)申告書
  2. 令和2年分給与所得者の基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
  3. 令和2年分保険料控除申告書
  4. 令和2年分住宅借入金等特別控除申告書(2年目以降のみ)

※転職者などは、前職の源泉徴収票も必要です。

このうち、特に重要かつ全員が提出対象となるのが、この記事で取り上げる「基礎控除申告書」を含んだ統合書類です。


給与所得者の基礎控除申告書の構成と目的

この書類は、3つのセクションに分かれています。

1. 基礎控除申告書

  • 所得制限が導入されたことにより、誰もがこの欄に記載する必要があります。
  • 年収2,400万円以下であれば、最大48万円の控除を受けられます。

2. 配偶者控除等申告書

  • 配偶者を扶養に入れている場合のみ記入が必要です。
  • 年収制限や配偶者の所得額によって受けられる控除が変動します。

3. 所得金額調整控除申告書

  • 年収850万円を超える方で、かつ、
    • 扶養親族に23歳未満の子がいる
    • 本人または家族に障害者がいる
      という場合に記入が必要です。
  • 最大15万円の税額軽減措置があります。

必須記載項目の詳細と具体例

以下は基礎控除申告書の記載項目です。ミスが発生しやすい項目とともに具体的に解説します。

1. 氏名・住所・マイナンバー

  • 正確に記載。特にマイナンバーは間違えやすいため、住民票等で確認を。
  • 例:マイナンバー「1234-5678-9012」

2. 所得の見積額

  • 年収から給与所得控除額を差し引いた額を記載。
  • 例:年収600万円の場合、給与所得控除は約174万円 → 所得見積額:426万円

3. 配偶者の情報(必要な場合)

  • 配偶者の年間所得見込みや生年月日を記載。
  • 所得が48万円を超えると対象外になるので注意。

4. 扶養親族・障害者等の情報(必要な場合)

  • 「所得金額調整控除」欄に該当がある場合のみ記入。
  • 該当者の氏名、生年月日、続柄などを記載。

よくある記入ミスとその影響

1. 所得額の計算ミス

  • 年収をそのまま記入するミスが多発。
  • 給与所得控除を差し引いた後の金額を書く必要があります。

2. 配偶者の所得を正確に把握していない

  • 「配偶者控除が受けられる」と思って記載したが、後で否認されるケースも。

3. 対象者でないのに「所得金額調整控除」を記載

  • 該当しない人が記載すると、虚偽申告となり修正を求められることも。

提出対象者とその条件

全員が対象になるケース

  • 基礎控除の項目はすべての給与所得者が対象
  • 年収2,400万円を超える方は控除の対象外ですが、申告書自体の提出は必要。

配偶者控除欄が必要な人

  • 配偶者の所得が一定以下(48万円以下)で、かつ扶養にしている場合。

所得金額調整控除欄が必要な人

  • 以下のいずれかに該当する場合:
    1. 年収850万円超
    2. 特別障害者または扶養家族に該当者がいる

提出期限の確認と会社との連携

提出期限の目安

  • 一般的には11月末~12月上旬までが期限とされている企業が多いです。
  • 具体的な日程は、会社の人事部や総務部に確認するのが確実です。

提出方法

  • 手書きでも可ですが、最近では**電子提出(e-Tax)**を導入している企業も増加中。
  • 書類不備があった場合は再提出を求められることがあるので、早めに準備を。

実際の記入例で確認しよう

事例:年収700万円の会社員(配偶者あり・子供1人)

  • 【基礎控除】年収700万円 → 所得約526万円 → 控除48万円
  • 【配偶者控除】配偶者の年収:45万円 → 控除対象
  • 【所得金額調整控除】子供が10歳 → 年収850万円以下なので対象外

このように、年収・配偶者・家族構成によって記載内容は変化します。


本記事では、給与所得者の基礎控除申告書の書き方を中心に、必須項目、記入ミスの防止、対象者の判断基準、提出期限などを詳しく解説しました。特に、所得制限や控除要件の変更により、書類の記載内容が複雑になっています。だからこそ、給与所得者の基礎控除申告書の書き方を正しく理解し、必要な内容をしっかり把握することが、結果として税負担の最小化につながります。これから年末調整を迎える方は、今一度、自分が記載すべき欄と提出期限を確認して、万全の状態で書類を提出しましょう。