日常会話でも文章読解でも頻出するこそあど言葉は、日本語を正確に理解・運用するために欠かせない重要な表現です。こそあど言葉とは、「これ・それ・あれ・どれ」などのように、物や場所、方向、状態などを指し示す語を総称した呼び名です。本記事では、「こそあど言葉とは何か?」という基本から始め、種類の違い、各品詞の一覧、文章読解での使い方までを、豊富な例文とともに詳しく解説していきます。
本記事を読めば、こそあど言葉の意味だけでなく、実際の使いどころや、読解問題への対応法までしっかりと理解できます。特に小中学生の国語力向上や、外国人学習者にとっても必須の知識です。
指示語とは何か?
まずは、指示語(しじご)の基本から確認しましょう。指示語とは、話し手や書き手が、聞き手や読み手に対して、物事を指し示すときに使う語のことです。
指示語の役割
文章中に何度も同じ語を繰り返すと、読みにくくなります。そんなときに役立つのが指示語です。
例文比較
- (悪い例)
昨日、新しいノートパソコンを買った。そのノートパソコンはとても軽い。ノートパソコンの性能も高い。 - (良い例)
昨日、新しいノートパソコンを買った。それはとても軽い。その性能も高い。
「それ」「その」を使うことで、文章がスッキリし、読解しやすくなります。
こそあど言葉とは?
こそあど言葉とは、指示語の中でも語頭が「こ」「そ」「あ」「ど」で始まる語の総称です。物、場所、方向、状態など、様々なものを指す語が含まれます。
なぜ「こそあど」と呼ばれるの?
「こ」=話し手に近い
「そ」=聞き手に近い
「あ」=両者から遠い
「ど」=不特定・疑問
この語頭の特徴から、「こそあど」と呼ばれるのです。
こそあど言葉の分類と意味
以下の表は、こそあど言葉を4つの種類(近称・中称・遠称・不定称)に分けて、その意味や使用例を整理したものです。
こそあど言葉の基本分類表
| 種類 | 概要 | 主な語例 | 使用対象例 |
|---|---|---|---|
| 近称(こ) | 話し手に近いものを指す | これ・ここ・この・こう・こんな | 自分の持ち物・近くの場所 |
| 中称(そ) | 聞き手に近いものを指す | それ・そこ・その・そう・そんな | 相手の持ち物・相手の位置 |
| 遠称(あ) | 両者から遠いものを指す | あれ・あそこ・あの・ああ・あんな | 遠くの物・第三者の話題 |
| 不定称(ど) | 遠近が不明・疑問形 | どれ・どこ・どの・どう・どんな | 質問・選択肢 |
指示語の品詞による分類
こそあど言葉は、その文法的な性質によって以下の4つの品詞に分類されます。
指示語の4品詞対応表
| 品詞 | 近称(こ) | 中称(そ) | 遠称(あ) | 不定称(ど) | 用途例 |
|---|---|---|---|---|---|
| 名詞(代名詞) | これ、ここ | それ、そこ | あれ、あそこ | どれ、どこ | 「これは私の本です。」など |
| 連体詞 | この | その | あの | どの | 「この本は面白い。」 |
| 副詞 | こう | そう | ああ | どう | 「そう思います。」 |
| 形容動詞 | こんなだ | そんなだ | あんなだ | どんなだ | 「こんなに難しいとは!」 |
※補足:
形容動詞は「こんな」「そんな」のように体言(名詞)を修飾する際には連体詞とされることもあります。
具体例で学ぶ!こそあど言葉の使い方
ここからは、実際の文章を用いて、こそあど言葉がどのように使われるかを見ていきましょう。
例文1:こそあどで簡潔に
- (冗長)昨日、友達と公園に行った。公園には大きなすべり台があった。
- (簡潔)昨日、友達と公園に行った。そこには大きなすべり台があった。
➡「そこ」=前述の「公園」を指している
例文2:状態を示す副詞
- ああ言えばこう言う。
➡「ああ」「こう」は状態・論理の流れを示す副詞です。
よくある組み合わせ表現
こそあど言葉は単独で使われるだけでなく、よく複数組み合わせて使われることもあります。
主な組み合わせ例
- これもあれも、それもどれも
- ここやそこ、あそこまで
- どちらにするか迷う
- こんなに美味しいケーキ、初めて!
読解力とこそあど言葉の関係
読解問題で頻出の理由
読解問題では、「それ」「このこと」などが何を指しているのかを問う設問が非常に多く出題されます。これは文のつながりを正しく把握しているかを確認するためです。
問題例:
「とっくに日付が変わっていたが、勉強に夢中でそれに気づかなかった。」
➡「それ」=日付が変わっていたこと
こそあど言葉を読み解く3ステップ
読解問題に強くなるための基本手順は以下のとおりです:
- こそあど言葉を見つけたら目立たせる(囲む・マークする)
- その文の前後の文脈を丁寧に読む
- 指している内容を文中に代入して確認
例題で確認:
「私は、日曜日に友達と公園に行った。そのことはとても楽しかった。」
➡「そのこと」=日曜日に友達と公園に行った一連の出来事
練習問題
問題1:品詞を選べ(正答は太字)
(1) あれもこれも欲しくなる → 名詞(代名詞)
(2) こんなにたくさん食べられない → 形容動詞
(3) ああ言えばこう言う → 副詞
(4) こちらを立てれば、あちらが立たぬ → 名詞(代名詞)
問題2:それが指す内容
「とっくに日付が変わっていたが、勉強に夢中でそれに気が付かなかった。」
➡答え:日付が変わっていたこと
まとめ:こそあど言葉の理解で読解力UP!
こそあど言葉は、物事や状態を指し示すだけでなく、文章の流れや構造をスムーズにし、文脈を明確にするための大切な語群です。日常会話から試験の読解問題に至るまで幅広く登場し、その正しい理解と運用が、国語力・読解力の向上に直結します。
こそあど言葉の使い方を習得するには、まず基本の「こ・そ・あ・ど」の仕組みを理解し、それぞれの品詞と使用場面を実例で覚えることが第一歩です。さらに、文章中での文脈との関係性を意識しながら、日常的に読み取りや代入練習を行うことで、自然に使いこなせるようになるでしょう。
文章の読み書きに自信をつけるためにも、今からこそあど言葉の理解を深め、実践していきましょう。