ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく使われる敬語表現に、「お願いいたします」と「お願い致します」違いがあります。似ているようで実は異なるこれらの表現に対し、「どちらが正しいのか」「どんな場面で使い分けるべきか」と悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。本記事では、「お願いいたします」と「お願い致します」違いに着目し、その意味、使い方、敬語としての適切さ、表記の正しさ、さらにはビジネスにおける活用例などを、実例を交えて詳しく解説していきます。
「お願いします」とは?
構成と意味
「お願いします」は、「お願い」と「します」の二語で構成されています。
- お願い:希望・要望・依頼など、相手にしてほしいことを伝える表現。ややカジュアルながら幅広く使われる語。
- します:「する」の丁寧語で、敬語の一種(丁寧語)。
この組み合わせにより、「お願いします」は依頼の意を丁寧に伝える言い方になります。
使用例
以下のように、日常会話やビジネスの場でも用いられます。
- アンケートの回答は、ぜひとも今週末までにお願いします。
- ゴミは各人が持ち帰るようにお願いします。
- この公園では、危険なキャッチボールやサッカー等は行わないように、お願いします。
特徴まとめ(表形式)
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 構成 | お願い + します |
| 敬語種別 | 丁寧語 |
| 適用場面 | 日常会話、社内、一般的な依頼など |
| 敬意の強さ | 中程度(フォーマルだがややカジュアル) |
「お願い致します」とは?
構成と敬語の種類
「お願い致します」は、「お願い」と「致します」からなります。
- お願い:上記と同様、希望や依頼の意味。
- 致します:「する」の謙譲語「致す」に、丁寧語「ます」がついた形。
このため、「お願い致します」は、より丁寧でへりくだった敬語表現になります。
※補足:「致します」は「いたします」とひらがなで書かれることが多く、正確には補助動詞として使う際はひらがな表記が正解とされます。
使用例
- 見積もりの方は、今週中にお願い致します。
- ぜひ若い社員に向けた講演をお願い致します。
- 何卒ご配慮のほど、お願い致します。
「お願いいたします」と「お願い致します」の違いとは?
根本的な違い(構成と敬意の度合い)
| 項目 | お願いします | お願い致します / お願いいたします |
|---|---|---|
| 敬語の種類 | 丁寧語 | 謙譲語+丁寧語 |
| 表記の正しさ | 正しい | 「いたします」が正確 |
| 敬意の強さ | 中 | 高(より丁寧・フォーマル) |
| 使用シーン | 社内、友人、日常的 | 取引先、上司、公式文書 |
正しい表記:「お願いいたします」が推奨される理由
「いたします」は補助動詞であるため、公用文や公式な文書においてはひらがな表記が原則です。そのため、ビジネスメールなどでは、
❌お願い致します
✅お願いいたします
が正しい表記です。
「お願い致します」は間違い?二重敬語なの?
「お願い」と「いたします」はどちらも敬語要素を持つ語であり、「お願いいたします」は二重敬語と捉えられることがあります。
- 「お願い」…依頼に敬意を込めた表現
- 「いたします」…さらに謙譲語
厳密にいえば、敬語が重なっており形式的には誤りですが、現代日本語においては自然で丁寧な表現とされ、広く使用されています。特にビジネスでは通例的な表現です。
表記の違い:「致します」vs「いたします」
漢字表記はいつ使う?
| 表現 | 用法 | 表記 |
|---|---|---|
| 自立動詞として使う場合 | 「自分が行う」という意味 | 漢字(致します) |
| 補助動詞として使う場合 | 「〜する」に補足的に使う | ひらがな(いたします) |
したがって、「お願いいたします」の「いたします」は補助動詞のため、ひらがなが正解です。
「宜しく」は間違い?ひらがなが正しい理由
- 「よろしく」:正しい表記
- 「宜しく」:常用漢字外のため、公式には不適切
公式文書、メール、報告書等では「よろしくお願いいたします」とひらがなで書くのが最も無難です。
「お願いいたします」の使い方と例文
実用例(ビジネスシーン)
- ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
- 来週の会議も、どうぞよろしくお願いいたします。
- お忙しいところ恐縮ですが、ご対応をお願いいたします。
- 本日中のご返信をお願いいたします。
- 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
注意点
- 「どうぞ」「何卒」などの副詞を加えると丁寧さが強まる
- 頻繁に使うと定型文として軽く感じられるため、シーンに応じて使い分けが必要
言い換え表現と使い分け
| 表現 | 敬意度 | 使用シーン |
|---|---|---|
| お願いします | 中 | 同僚、社内、日常的な場面 |
| お願いいたします | 高 | 上司、取引先、フォーマルなビジネスシーン |
| お願い申し上げます | 非常に高 | 極めて丁寧。公式文章や儀礼的な表現 |
| お願いしたく存じます | 高 | 文書表現や丁寧な案内状など |
よくある誤用と注意点
- ❌「お願い致します」→補助動詞ならいたします
- ❌「宜しくお願いいたします」→よろしくが正解
- ❌「お願いを致します」→表記は「お願いいたします」が適切
実例で理解する違い
社内メール例
明日の会議資料を作成しましたので、ご確認のほどお願いいたします。
→ 社内の上司やチームに対して使える丁寧な表現。
取引先へのビジネスメール例
お忙しい中恐れ入りますが、下記のご確認をお願いいたします。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
→ ひらがな表記を徹底し、誤解を避けたフォーマル表現。
まとめ:どちらを使うべき?
最後に、「お願いいたします」と「お願い致します」違いを改めて整理しておきましょう。
- 正しい表記は「お願いいたします」
- 「お願い致します」は形式的に誤りで、特に公的文書には不適
- フォーマルな場では「お願いいたします」または「お願い申し上げます」を使用
- 丁寧さや印象を調整したい場合に「どうぞ」「何卒」などの副詞を加える
✅結論
ビジネスやフォーマルな文書で敬意を正しく伝えたいときは、「お願いいたします」と「お願い致します」違いを正しく理解し、表記も含めて丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。これにより、誠意ある印象を与え、信頼関係の構築にも繋がります。